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2006/01/25 16:10
平成17年3月17日
東京都中学校長会の報道発表に関する
東京私立中学高等学校協会会長のコメント
今回、都内の公立中学校長の団体である東京都中学校長会が、東京私立中学校などから都内公立中学校への転学生徒に関する問題について、報道機関に発表した。
当協会では、以下に述べるようにその内容は実情を正しく反映しているものではないと考えざるを得ず、こうした誤った一方的な発表が私立中学校の教育活動に対して不当な評価をもたらしかねないことを憂慮するものである。
当協会は、この度の東京都中学校長会の報道発表が都民に誤解と偏見をもたらすことにならないよう、改めて私立中学校生徒の転学問題について以下のとおり見解を表明する。
1. 私立中学校の意義について
私立学校は建学の精神、創立者の教育理念を軸にした男子校・女子校・男女共学・男女別学での特色ある教育を行なっている。これは、「私立学校の特性にかんがみ、その自主性を重んじ、公共性を高めることによって私立学校の健全な発達を図ること。」という私立学校法の趣旨を具現化したものであり、私立学校がその目的を達成するために運営方針を自主的に決めている。
前期中等教育である中学校は、都内に私立中学校179校、公立中学校651校、国立中学校7校があって、生徒数は平成16年度で私立中学校では約74,600人が通学しており、構成比では約25%を占めている。
これは、義務教育である中学校について、教育費の公私負担較差が著しい現状にもかかわらず、私学独自の教育理念を広く都民が理解し、支持している結果であり、東京の私学が公立学校と協調しながら東京の教育を担ってきた証左であるといえる。
2. 理由別長期欠席者の状況
平成16年度学校基本調査によれば、別表2のとおり理由別長期欠席者数は公立が3.69%であるのに対し、私立は1.45%である。
3. 私立中学からの転学について
私立中学校は各学校設置者による入学基準、退学基準などを校則で定めている。これの行使は学校教育法(施行規則)に認められている校長の固有の権限である。
しかしながら、各私立中学校ではそれぞれの日常の生徒生活指導をきめ細かく行なっていくことによって単に校則を一律に適用するのではなく、将来の人間的成長を促す観点からの教育的配慮を加え、転学問題に適切に対処しているものである。
その結果として、教育環境を転換することが生徒本人の成長にとって真に必要と判断される場合に限って、十分な教育的配慮がなされた上でやむを得ず例外的措置をするのが、私立中学校から公立中学校への転学問題である。これもその発生率を見てみるならば、このたび東京都中学校長会が問題視するデータのうち、公立中学の教育環境に何らかの影響を及ぼす可能性のある転学生徒は私立中学校生徒(約74,600人)の0.1%に過ぎず、公私の中学校現場でかかえている他の問題に較べれば、論外というべき少なさである。
もちろん、公立の義務教育学校の設置目的からして私立中学校などからの転学生徒を公立中学校が受け入れることは法上の義務であることは論のまたないところであるが、私立中学からの転学は教育上の様々な配慮を加えた努力の結果、以上のような低位にとどめているのが現状である。
4. 東京都中学校長会の報道発表への当協会の見解
これら公立学校の法律上の自らの責務を放棄し、しかも教育的配慮の結果として私立学校生徒を低い水準の転学率にとどめている結果を無視した今回の東京都中学校長会の報道機関への発表は、座視することのできぬ問題であると東京私立中学高等学校協会は考える。
本件については、東京都教育委員会でも問題視しており、
○ 東京都中学校長会の要請は、私立中学校長の権限に踏み込んだものであること
○ 東京都中学校長会の文書は、私学からの転校生に対する偏見や差別意識を助長すること
という見解と伺っている。
当協会としても、東京都教育委員会と同様、私立学校の固有の権限に踏み込んだ意見を述べること自体、その見識を疑うものである。
当協会は、都民子女の教育水準を維持向上させるためにこれまでも東京都生活文化局、東京都教育委員会と適切に協議し、これらの目的を達成するために努力を払ってきたところである。この方針は今後とも変わるものではない。
さらに、私立中学校へも公立中学校から転学してくる生徒の事例も数多くあり、これら受け入れた生徒たちを分け隔てなく教育しているのが私学側の教育姿勢である。
今回の報道によって、当協会のみならず東京都教育委員会も危惧するように、公立中学校、私立中学校に転校した当該生徒が受けるであろう心の傷は図り知れないものがあり、教育に携わる者としてとるべき態度ではないと考える。
私立中学校は、生徒たちが均しく成長していくことを願って、今後とも教育実践をしていくことをここに表明する。
http://www.tokyoshigaku.com/topics/head/headlines/050317.html
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